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二十歳の挑戦の記録

旅行記(7/7):出発前夜

 最初の一言、最初の出来事がその後の流れを決めてしまう事はよくあることです。私が体験した自転車日本一周の旅はそんな事例の一つとなりました。
 ここに、旅行を記した2冊のDiaryがあります。今はページを綴る糸も切れかけ ほつれてしまうページもあります。1冊目の表紙の裏には、その日記帳を贈ってくれた人が書いてくれた「試練」という言葉が記されています。その後、このノートには、その「試練」の言葉を初めとして、訪れた全国の各地で出逢った人々から、多くの励ましのメッセージがつづられていくことになりました。その最初のきっかけになったのは、一泊目の氷川丸での出会いでした。

 旅立ちの前日、退社したお店のご厚意で社員寮の一室を利用させてもらい 寝袋で一夜を過ごすことになりました。2年間暮らした町で最後の夕食をとろうと、なじみのお好み焼き屋に入りました。そこには、勤めていたお店の同僚の女の子がいました。と言うより何となくそこにいるだろうと予測をしていました。一つ 年下で とてもキュートな可愛い人でした。思いを伝えることは出来なかったけれど、とても好意を抱いていました。もう二度と会うことのない別れの時にも さりげなく「さよなら」としか言えませんでした。